ヘルスサイエンス

2015 春・夏
大人もたくさん出た方がいい!唾液

実はよく知らない唾液のコト

普段、気にすることもない唾液ですが、健康な人では一日に約1.5リットルも出ていることをご存じでしたか?唾液のほとんどは大唾液腺と呼ばれる、耳の下から頬のすぐ下にかけての耳下腺(じかせん)、下あごの内側にある顎下腺(がっかせん)、そして舌の裏側の付根にある舌下腺(ぜっかせん)から分泌されています。この他、口腔内の粘膜に数百あるという小唾液腺からも分泌されています。唾液の99.5%は水分で、残りは各種の酵素やタンパク質、ホルモンなど、さまざまな成分です。血液から作られる唾液には病気を含む多くの情報が含まれており、唾液での健康状態やストレス度等の測定法が研究され、厚労省認可の測定医療機器もあります。

ところで、唾液にも種類があるのを意識されているでしょうか。例えば、食事中はサラサラとした唾液が分泌されています。これは食感や味覚、嗅覚などの刺激によって分泌される「刺激的唾液」といい、耳下腺から分泌されていますが、顎下腺からも出ます。主に消化・吸収を助ける成分と働きがあります。一方、睡眠中に分泌されるのは「安静時唾液」といって少量のネバネバした唾液です。舌下腺から分泌されますが、顎下腺からも出ていて、主に細菌の侵入防止や粘膜保護などに働きます。

唾液の分泌は自律神経にコントロールされており、緊張して交感神経が優位となっている時はネバネバの唾液が分泌され、リラックスして副交感神経が優位の時はサラサラの唾液が分泌されます。人前で発表するときに口がカラカラに乾いてしまっ たり、緊張する会食で食事が喉を通らないのは、交感神経優位でサラサラ唾液が出ないからなのです。


唾液は働き者

唾液が出ない時は水を飲めば良いと思われるかもしれません。ところが、水では代わりにならないさまざまな役割を唾液は担っているのです。

◆円滑作用…食べ物を湿らせて飲み込みやすくしたり、口の中を潤わせ、舌や歯や粘膜を円滑に動かす潤滑油の役目をしています。発音や会話がスムーズにできるのも唾液あってこそ、です。

◆溶解作用…食物中の味物質を溶かして舌に味覚を確認させています。唾液の働きのおかげでおいしさがわかり、食事を楽しむことができるのです。

◆洗浄作用…食後の食べかすを洗い流して消毒し、口臭を防ぐ役割を果たしています。

◆消化作用…唾液に含まれる消化酵素のアミラーゼがデンプンを分解し、消化を助けます。食べ物が細かくなって唾液の酵素や水分とよく混ざり合うほど、胃腸での消化・吸収も促進します。胃腸の負担も減るため、よく噛む方が良いのです。

◆保護作用…唾液に含まれる粘性タンパク質のムチンが、口の中や喉、食道、胃腸などの粘膜を守り、刺激の強いものや熱いもので傷つくのを防いでいます。また、唾液は歯の表面に皮膜を作り、虫歯菌から歯を守り、虫歯を防ぐ働きもしています。

◆緩衝作用…唾液中の成分によって、口の中のpH(酸性・アルカリ性などの度合い)を一定に保ち、口内細菌を繁殖させたり減らしたり、適正にコントロールをしています。

◆歯の修復作用…虫歯菌が作る酸が歯のエナメル質を溶かすと流出してしまうミネラルやイオンを、唾液中のカルシウムやリン酸、フッ素などで補充して修復(再石灰化)してくれます。

◆抗菌作用…唾液中には免疫グロブリン、リゾチーム、ペルオキシターゼ、ラクトフェリン等々の抗菌作用を持つ物質が含まれ、外部から侵入する病原菌から体を守っています。

この他にも唾液には老化を防止する物質や、傷を修復したり神経細胞を修復する物質なども含まれています。傷に「ツバをつけておけば治る」は本当だったのです。


唾液が出なくなる!?

唾液がただの水分ではないことがおわかりいただけたでしょうか。唾液が出なくなってしまったら、口の中は乾き、会話もままならなくなり、食べることも難しくなってしまいます。そんな症状に悩まされる「ドライマウス」になる人が増えているといいます。なんらかの原因で唾液の分泌が減り、ひどくなると舌がひび割れたり、粘膜が傷ついて痛んだり、味を感じなくなったりして日常生活に支障が出てしまいます。

乾燥化が進む環境の変化もドライマウスの原因の一つだと言われますが、もちろんそれだけではありません。糖尿病の患者さんは口や喉が渇きやすいことが知られていますし、がんの放射線治療やシェーグレン症候群で唾液腺が損傷を受けることもあります。さまざまな薬の副作用で唾液分泌が減ることもあります。唾液はリラックス状態の副交感神経優位の時の方が出やすいのですから、逆に交感神経優位になるストレスは唾液分泌低下の一因になります。不規則な生活や噛むことの少ない食習慣なども要因として挙げられ、これらが複合的にからむ場合もあるのです。


唾液力をUPさせよう

唾液腺マッサージ

若々しく健康な体を保つために重要な働きをしている唾液がたっぷり分泌されるよう、日常的に意識してみましょう。

意識するのが難しい時は、まずは食べたいものをおいしく食べることが良い唾液の分泌を増やす第一歩。おいしい食事でストレス解消になり、唾液力アップにもなります。豊かな唾液で口にも心にも潤いを!


唾液力をUPさせよう
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