開眼!ゲルマニウムファイル

2009年 春
ゲルマニウムを回収しよう

30数年前、浅井一彦博士は、将来的にはアサイゲルマニウムを飲んだ人の排泄物を集めて、そこからアサイゲルマニウムを回収してリサイクルしたいことを、よく口にしていたそうです。いま、それが現実になる可能性も出てきました。

 

 

希少元素・ゲルマニウム

 ゲルマニウムという元素は、地球で2番目に多い元素である「ケイ素」と似ているため、ケイ素つまり「土」には必ず含まれています。しかし、極々微量しか含まれていないので、〝どこにでもあって、どこにもない元素〟ともいわれています。実際に土からゲルマニウムを取り出すのは極めて効率が悪く、ほぼ不可能といってもよいでしょう。ゲルマニウムはレアメタル(希少元素)という範疇の元素に分類されており、存在が希少なため、鉱石や石炭などから取り出すのも費用が高額になってしまいます。

 そんな貴重なゲルマニウムを無駄なく有効に使うため、(株)浅井ゲルマニウム研究所ではゲルマニウムの回収についての研究と実践が行われています。

 

ノーベル賞みたい!?

 

 優れた研究成果の多くは、別の研究をしていく中で、鋭い観察と偶然が重なって生まれてきています。実はここにご紹介するゲルマニウムを回収する技術も、全く違う研究の中から生まれました。浅井ゲルマニウム研究所では、その前身であった(財)石炭総合研究所の時代から糖との相互作用を研究していました。そして、二十数年前、アサイゲルマニウムがある糖を別な糖に変化させる橋渡しの役目をすることに気がつきました。この研究は経済性が合わず中止になりましたが、研究に使用したアサイゲルマニウムを回収する方法を検討する際、糖の研究が縁で千葉大や日本原子力研究所の膜(フィルター)や放射線(γ線)を使用する技術に出会ったのです。浅井ゲルマニウム研究所は長年の研究でトリエタノールアミン(TEA)というゲルマニウムを捕まえる『手』となる化合物を発見していました。これらの研究成果と技術が結実した結果、いろいろなものが混ざっている液体からアサイゲルマニウムや他のゲルマニウム(化合物)だけを取り出すことができる画期的なフィルターが完成したわけです。高価で貴重なゲルマニウムを何とか回収したい、という研究担当者の熱意と必要性が、この出会いと結果を生み出したといっても過言ではないでしょう。

 

 

一滴たりとも逃すものか

放射線と放射能

 浅井ゲルマニウム研究所では、少しでも無駄をなくし、少しでも安くアサイゲルマニウムを提供するため、数年前よりこの技術を使ってゲルマニウムを回収し、工業用途に再生しています。最初は工場の排液からの回収、昨年からは他の技術も使ってアサイゲルマニウムの製造工程に回収工程を組み込み、今まで廃棄せざるを得なかったゲルマニウムの回収が可能となってきています。今年は更に最後の一滴まで逃さず回収することを目指し、より改良を加えているそうです。アサイゲルマニウムを研究する中で生み出された成果が、実際にアサイゲルマニウムを製造する工場で活かされているという、研究と実践が一体化しているすばらしい成功例と言えるのではないでしょうか。

 

 

広がる可能性に期待

 

 この回収フィルターの技術の応用範囲は浅井ゲルマニウム研究所内の活用にとどまりません。現在、ゲルマニウムは食品や化粧品の原料などに使用している量とは桁違いの量が半導体をはじめ、さまざまな工業用用途に使われています。しかし、一部を除き、その多くが使用済みになれば廃棄されているのです。今、地球資源の活用方法や廃棄についての問題が急速に注目を浴び、そのための技術開発が盛んに進められています。ゲルマニウムも例外ではなく、その廃棄を見逃すことは特にこれからの時代は許されません。そのため、このフィルター技術が応用される可能性が広がっているのです。

①工場から
半導体やゲルマニウムを使った工業製品の工場では、今までは良い技術がなく、また採算が合わず回収はほとんど行われていません。
②都市鉱山から
「都市鉱山」という言葉が最近使われ始めました。都会では豊かな生活をし、電子製品、家電や車などが使い捨てられています。これらの廃棄物には多くの希少元素が使われていて、例えば、携帯電話1万台をリサイクルすると約300gもの金が回収できるといいます。廃棄された家電や車などから白金や金のような貴金属は回収されていますが、ゲルマニウムはもちろん希少元素までは回収できていません。
③海水から
海水には微量ながら非常に多くの元素が溶け込んでいます。将来、今以上に資源が希少になり、いろいろな元素の価格が高騰していくことが考えられます。低コスト・低エネルギーなこのフィルターを使用した海水からの回収技術が活かされるでしょう。
④環境保護へも
工場や都市から出るゴミを「資源ゴミ」と言い換える場合もあります。この資源ゴミからゲルマニウム以外にも元素を回収できれば、環境保護の面からの社会貢献も夢ではありません。

 

  

ゲルマニウムだけじゃない

 

 浅井ゲルマニウム研究所開発のフィルターを使った回収方法は、フィルターにつける「手」となる化合物を変えることにより、ゲルマニウムだけでなくほかの有用な元素を回収することが可能な非常に優れた技術です。ゲルマニウム以外の元素を回収する技術の開発はこれからですが、それが完成すればますます応用範囲が広がるはずです。浅井ゲルマニウム研究所ではこの可能性に向かい、社内外でまずゲルマニウムについて実証し、この技術を社会に認知してもらうことによって、更なるステップアップを目指す、粘り強い研究を続けていくそうです。このフィルターの多岐にわたる活躍が期待されます。

 

 

 


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