ヘルスサイエンス

2011 夏
腸の働きを整え、健康体をつくる
乳酸菌

善・悪の勢力争い

お腹の調子は良好ですか? 便秘ぐらい当たり前…などと考えていませんか?腸は消化・吸収に働くだけでなく、第二の脳と言われるほど重要な臓器。腸の健康は身体全体の健康を左右するほど大きな問題なのです。というのも、腸には、飲食や呼吸とともに外界から細菌や毒素などの異物が直接入り込む危険があります。そんな事態に備え、腸は常に侵入者と闘う免疫(腸管免疫)の最前線の役割も果しており、腸の状態はその働きに大いに影響があるからです。

腸には、約100種100兆個もの「腸内細菌」が棲んでいます。この腸内細菌たちが食べた物の消化・吸収に働いて栄養をエネルギーに替えたり、また、腸内で産生 される毒素や有害物質を代謝・排泄するなど、私たちが生きていくために不可欠な働きをしています。腸内は各種の菌が花畑のように群生しているため「腸内フローラ」と呼ばれ、さまざまな菌が共生しています。それらは「善玉菌」、「悪玉菌」と、そのどちらでもなく、悪玉菌が増えると有害になりうる「日和見菌」に大きく分けられます。

善玉菌は皆さんもよくご存じの乳酸菌、ビフィズス菌に代表される、人に有用な働きをする菌です。悪玉菌の増殖を抑えたり、腸の運動を活発にして腸内環境 を整えています。一方、大腸菌やブドウ球菌、ウェルシュ菌のように人体に有害に働くのが悪玉菌です。悪玉菌の中にはビタミンの合成や感染の防御に関わっている大腸菌などもあるので、すべてが有害とは言えませんが、悪玉菌が増えすぎると腸内のタンパク質を腐敗させ、アンモニアや硫化水素などの有害物質を作り出します。すると、腸の活動が低下し、 便秘や下痢を引き起こしたり、有害物質を処理する肝臓にも負担がかかり、さまざまな生活習慣病や老化の原因となります。健康な人の腸は善玉菌優勢の腸内フローラですが、そのバランスは常に一定というわけではなく、加齢や食生活、ストレスなどに伴って変化しやすいため、腸内では日々、菌たちが勢力争いを繰り広げているのです。


強い味方、乳酸菌!

腸の健康を保つために必要な善玉菌。その代表格が乳酸菌です。「乳酸菌」とは、一つの菌の名称ではなく、オリゴ糖などの糖を分解・発酵させて乳酸や酢酸といった有機酸を作り出す微生物の総称です。人や動物の体内にもたくさんの種類の乳酸菌が棲んでいますし、自然界にも広く存在し、ブルガリア菌やラブレ菌などもその一種です。乳酸菌がつくる発酵食品は、遥か昔から人間の食生活に深く関わり、人々の健康を支えてきました。乳酸菌は私たちにとって、最も身近な微生物と言えるのかもしれません。

乳酸菌の働きは、まず整腸作用です。乳酸菌によって作られた乳酸や酢酸は腸内環境を酸性に保ち、酸に弱い悪玉菌の増殖を抑えて、腸内フローラを善玉菌優勢に整えます。消化・吸収能力も高まり、代謝・排泄のリズムが整って、便秘の解消や予防にもなります。乳酸菌の作った酸によって腸の蠕動運動を促すことでも便通を改善してくれます。腸内フローラが善玉菌優勢にバランスよく保たれていると、整腸作用にとどまらず、腸の免疫力・抵抗力もアップし、食中毒などの病原菌やアレルギー疾患の予防にもつながります。さらに、乳酸菌には血中コレステロールを下げる働きや、歯周病菌の増殖を抑えて虫歯を予防するなど、いろいろな働きが見出されているので、腸にとって、そして身体全体にとっても強い味方なのです。


植物性VS動物性

ところで、最近は「植物性乳酸菌」とか「動物性乳酸菌」という言い方をよく聞きます。乳酸菌は〝乳〟という字が入っているため、まず牛乳など動物由来のヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌を連想しますが、植物が由来の乳酸菌もあるのです。特に日本人である私たちには、実はこちらの方が馴染みの深い乳酸菌かもしれません。乳酸菌 は野菜や米、大豆などの植物にも存在し、そういった乳酸菌の発酵によってできるのが味噌、醤油、漬け物などの発酵食品なのです。動物性、植物性、それぞれの良さがありますし、腸内フローラを多様な善玉菌でバランスよく保つためにも、多くの食品からさまざまな乳酸菌を摂るよう心がけたいものです。


乳酸菌で積極的予防を

乳酸菌はもともと体の中にも存在していますが、年齢とともに減少していきます。また、食事内容やストレス、運動不足、抗生物質などの薬剤の服用などによっても減少し、悪玉菌が勢力を増す要因となってしまいます。つまり、腸内フローラのバランスが崩れてしまうことになるのです。それを防ぐための方法の一つが毎日の〝 食 〟による乳酸菌の補給です。腸の健康が身体全体の健康に大きく影響することや、乳酸菌の働きが注目されてから、腸に働きかける機能性食品が下記の3つに分類されるようになってきました。

これからの時代は病気になってから治すより、病気にならないように〝 予防 〟することが大切です。プロバイオティクス、つまり発酵食品をはじめとする乳酸菌を含む食品を大いに活用し、同時にプロバイオティクスを助けるプレバイオティクスのオリゴ糖や食物繊維を積極的に摂ること、さらにバイオジェニックスである機能性食品成分を摂ることで、それぞれの働きが活かされます。常に善玉菌優勢な腸内環境を保つことが、若々しく健康に生きていくための心強い備えとなるでしょう。


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