ヘルスサイエンス

2012 春
低下を防いで燃焼率をアップする
基礎代謝

最低限必要なエネルギー

私たちの体内では、食事から得られた栄養素を燃焼させてエネルギー源にする「代謝」というメカニズムが働いています。代謝には大きく分けて「基礎代謝」、「身体活動代謝」、「食事誘発性熱代謝」の3つがあります。身体活動代謝は、日常生活で行う仕事や家事、通勤、通学など、活動や運動によって消費されるエネルギー(カロリー)です。スポーツとしての運動も含まれるので、人によって消費量は大きく変わりますが、一日に必要なエネルギーの約20%にあたる量が消費されます。食事誘発性熱代謝は、食事をしたり、消化・吸収することで消費されるエネルギーです。ご飯を食べると体がポカポカ温まるのを感じますが、エネルギーが燃焼・消費されている証拠です。これは食材や量などによっても左右され、一日に必要なエネルギーの約10%が使われます。

そして、基礎代謝。私たちの体は、たとえ横になって安静にしていても、眠っていても、呼吸をし、心臓を動かし、体温を維持しています。このような生命活動を維持するために最低限必要なエネルギーのことを基礎代謝といいます。この何気なく使われているエネルギーが、一日に必要なエネルギーの約70%をも占めているのですから意外です。


基礎代謝のカギは筋肉量

体内では呼吸や拍動、血液循環、体温調節の他にも消化・吸収や、いろいろなホルモン・酵素の分泌、皮膚や骨の新陳代謝などなど、さまざまな活動が常に行われ、それらにはすべて基礎代謝エネルギーが使われています。もちろん、脳の働きにも多くのエネルギーが使われています。基礎代謝のエネルギー消費量の内訳を部位別にみると、脳は体重の2%程の重さしかないのに、約20%ものエネルギーを使っています。

また、起きている時も寝ている時も、姿勢を保っていられるのはさまざまな筋肉が使われているからです。筋肉は姿勢維持や運動の時だけでなく、前述のような生命維持のための幅広い活動にも関わり、働いています。何を隠そう、筋肉が一番多く基礎代謝のエネルギーを消費しているのです。つまり、筋肉の量が多い人はエネルギーの消費量も多く、太りにくいともいえます。一般的に、女性はホルモンなどの影響によって皮下脂肪を蓄えやすく筋肉量が少ない傾向にあるため、男性より基礎代謝が低くなるわけです。


基礎代謝低下は肥満に通ず

生命活動を支えつつ、エネルギーを消費している基礎代謝ですが、そのパワーのピークは10代で、その後は徐々に低下していきます。個人差はあるものの、一般的に40代になると急激に下降し、50代ではピーク時の8割程度、70代ではピーク時の7割程度になるといいます。基礎代謝が低下する理由の一つは、加齢によって筋肉が衰え、減少することにあります。外出が少なくなり運動量が減ることで筋肉量も減少し、基礎代謝の低下に拍車がかかってしまいます。つまり、歳としとともにエネルギーの消費量が減り、太りやすくなってくるわけです。

また、年齢によらず、食べ過ぎや運動不足が習慣化すると、消費しきれずに体内で余ったエネルギーが脂肪やグリコーゲンとなって過剰に蓄積されていきます。これが肥満です。ここで肥満解消のために食事制限だけでダイエットしようとすると筋肉量が減り、基礎代謝が低下してしまいます。食べずにいると始めは体重が減りますが、ある時期からは減らなくなってきます。これは体が飢餓状態だと判断して、エネルギーを脂肪に変えて溜め込み、省エネ体制で生きていけるよう、基礎代謝量も下げて適応しようとするからです。一向に体重が落ちず、ダイエットに挫折したときには、すでに脂肪をため込む体質に変わってきているため、普通の食事でもすぐに太ってしまうのです。健康的なダイエット、太りにくい体をつくるためには、代謝レベルにあった食事量とともに、運動によって筋肉を増やし、基礎代謝を高めてエネルギーを効率よく燃焼させる方法がおすすめです。


基礎代謝アップを目指そう

でも歳だから仕方ない、と諦めてしまう前に、日常のちょっとした心がけで低下する一方の基礎代謝に歯止めをかけたり、代謝量を増やすことができます。

●運動で筋肉を
基礎代謝アップの決め手は筋肉量です。筋肉を使い、減らさないようにするのがポイント。手軽にできるウォーキングは太ももやヒップ、ふくらはぎなど、大きな筋肉が鍛えられます。ブラブラ歩くのではなく、歩幅を広めに、腕を大きく振って、筋肉を使っていることを意識し、しっかり呼吸をしながら歩きましょう。ダンベル運動などの軽い筋トレも有効。日常的になるべく全身を動かそうとする気持ちが大切です。

●規則正しい生活
基礎代謝は自律神経の働きとも深く関わっています。交感神経優位の日中は活動量も大きいた め代謝が高まり、副交感神経優位の夜間はリラックスして代謝も低くなっています。不規則な生活で自律神経のバランスが乱れると、交感神経の働きが鈍り、代謝も低下することになりかねませんので、早寝早起きを心がけることも大事です。

●食事を大切に
栄養素は代謝活動の元となるもの。食事を抜いたり、偏った食生活をしていると代謝がうまく働かず、体が省エネモードになってしまいます。朝食で栄養補給をして代謝活動をスムーズにスタートさせ、エネルギーを燃焼させること。筋肉の材料となるたんぱく質を含む食品をはじめ、栄養バランスの良い食事で代謝をフル活動させましょう。

●入浴で血行促進
体内が冷えていると基礎代謝も低下します。内臓温度が1度下がると基礎代謝は12%も下がる といわれるほど。少しぬるめのお湯にみぞおちまでつかっていると全身の血行が良くなって温まり、代謝アップにつながります。さらに手足の先を「お湯につける」と「冷たいシャワーをあてる」を5~6回繰り返すと自律神経の働きを整えることにも。

暖かくなってきた今がチャンス! 基礎代謝を上げて、しっかりエネルギーを燃焼できる代謝の良い身体を維持しましょう。


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