ヘルスサイエンス

2014 秋・冬
しなやかで丈夫な血管でスムーズに
血液循環

猛スピードで循環する血液

私たちの体内に張り巡らされた血管を一直線につなげたとすると全長約10万kmにもなり、これは地球2周半の長さになるというから驚きです。血液はこの血管を駆け巡って全身を循環しています。私たちは呼吸をし、食物を食べなければ生きていけません。食べて排泄する、それは体内の最小単位である細胞も同じこと。細胞にも酸素や栄養が必要で、活動すれば二酸化炭素や老廃物が出ます。血液循環は細胞に必要なもの・不要なものを運搬するという重大な仕事を担っているのです。

心臓を出発した血液は、大動脈→動脈→毛細血管へと流れて全身の細胞に酸素や栄養素を届け、代わりに細胞から二酸化炭素や老廃物を回収して、毛細血管→静脈 →大静脈を経由して再び心臓に戻ってきます。これを体循環(たいじゅんかん)といいます。

心臓にもどった静脈血は今度はいったん肺へ回り、回収してきた二酸化炭素と新鮮な酸素とを〝ガス交換〟し、また心臓へ戻ります。こちらを肺循環(はいじゅんかん)といいます。心臓へ戻った血液は新しい動脈血として再び大動脈へと送り出されるのです。血液が心臓を出発して全身を駆け巡り、また心臓に戻ってくるのに最短でたった20秒、肺でのガス交換にも3~4秒しかかからないと言いますから驚異のスピードです。この血液循環を繰り返すことによって私たちの生命が営まれているわけです。


血液が血管を押す力?

心臓は強力なポンプです。ドッキンドッキン拍動するたびに膨らんだり縮んだりする心臓ポンプによって血液が送り出されているのです。その勢いによって全身を駆け巡るのですから、血液は相当な圧力で血管の壁を押しながら流れることになります。この圧力こそが「血圧」です。心臓ポンプが収縮して血液を押し出す時は圧力が高くなり、拡張して血液流出の勢いが弱まる時は圧力も低くなります。これがいわゆる血圧の上と下です。

例えば、上の血圧が120mmHgだとすると、血圧計の水銀柱を120mm押し上げる圧力がかかっているということです。ちなみに水銀よりも比重の軽い水で換算すると 13.6倍の1,632mm、つまり1m63cmも水を押し上げる圧力がかかることになります。よく時代劇などで血しぶきが吹き上がる場面が出てきますが、大げさな特殊効果ではなく、実 際、それほどの勢いで血液が流れているということなのです。


血管はただの管(くだ)にあらず

血管は、酸素や栄養を運ぶ動脈、二酸化炭素や老廃物を運ぶ静脈、そして動脈と静脈をつなぐ毛細血管に大別されます。血管はみな同じに見えて、実はそれぞれの働きに適した異なる構造をしています。

まず、心臓から出発した大動脈は太い部分で直径3cmほどもある太い血管です。大動脈から各器官へ向かう動脈、小動脈、細動脈、毛細血管へとだんだんに枝分かれして細い血管になっていきます。動脈の血管壁は筋組織や弾性線維でできた厚い三層構造になっています。心臓から勢いよく流れ出た血液の圧力に耐えうる丈夫な構造で、その弾力性と伸縮性で血管を収縮させ、血液を次から次へと送っていくのが特徴です。

網の目状に分布している毛細血管までくると血管の直径は5~10㎛(1/200~1/100)という細さになります。毛細血管の血管壁は一層で、血管壁を作っている細胞と細胞の間には隙間があり、そこから各組織の細胞へ酸素や栄養素を渡し、二酸化炭素や老廃物を受け取って交換する仕組みになっています。

交換を終えた毛細血管が今度はだんだんに集まって小静脈、細静脈、静脈、大静脈へと太くなって、心臓へ戻っていきます。静脈は動脈のような圧力は受けないので、同じ三層構造でも筋組織や弾性線維が少ない薄い血管壁でできています。動脈との大きな違いは逆流を防ぐ〝弁〟があること。心臓より上の静脈は引力によって血液が心臓の方へ流れますが、心臓より下の静脈は周りの筋肉の収縮・弛緩(しかん)や弁の助けを借りて血液を心臓の方へ押し上げているのです。ふくらはぎが第二の心臓と呼ばれるのはこのためです。


血管年齢の老化

血管も体の一部ですから、やはり年齢とともに老化していきます。よく血管はゴムホースに例えられますね。新しいゴムホースは柔軟性があり、ホースの内側もツルツルで水をよく通しますが、古くなってくると劣化して硬くなり、内側に汚れが付着して詰まったり穴が開いたりします。血管も同じように老化してくると弾力性がなくなり、もろくなります。これがいわゆる「動脈硬化」です。つまり〝血管年齢〟が歳をとったということです。

柔軟性が低下した血管は傷つきやすくなり、また、血液中に余分なコレステロールや中性脂肪などがあると活性酸素によって酸化され、血管壁に入りこんで溜まったりします。すると血管の内側が狭くなって血流が悪くなってしまいます。それでも心臓ポンプは必死で血液を送り出そうとし、細くなった血管に無理やり血液を流すので血管壁への圧力が高くなり、血管の負担も増します。これが高血圧の状態です。この状態が続くと、動脈の一部が詰まったり破裂したりする心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中などを招いてしまうのです。


血管年齢を若く保つ秘訣

食習慣や生活習慣、生活環境などに左右される血管年齢を若く保つには、

①血液の質と濃度のバランスが良いこと。
中性脂肪やコレステロール、糖質などは少ない方が良いですが、かといってサラサラ過ぎてもいけません。酸素や鉄分を運んだり、ガス交換の主役にもなる赤血球が豊富であること。さらに言えばその赤血球が若くて柔軟な血液が理想的です。油っこいものを控え、栄養バランスの良い食事、適度な水分補給を心がけましょう。

②血管がしなやかで弾力性があること。
血液がスムーズに循環するためには血管の柔軟性が欠かせません。動脈硬化や高血圧を防ぐためにも塩分を控え、抗酸化作用があり、塩分排泄に働くカリウム豊富な野菜や果物を積極的に摂りましょう。

③血液循環がスムーズに行われていること。
体の隅々まで酸素や栄養素が届けば、細胞が元気に活動できます。老廃物や疲労物質の排泄も順調に行われるので新陳代謝も活発になり、疲れにくく、若々しく過ごせます。ちょっとした運動でも良いので筋肉を動かし、血液循環をサポートしましょう。


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