山親爺の函館便り

 路面電車が走る街はイイ。函館の市電は昔も今も市民の足であり、長い歴史の中でその路線は少しづつ縮小されてはきたが、全長10.9kmを今日も元気に走っている。函館には路面電車がよく似合う。
 雪の季節、ササラ電車と呼ばれる除雪車が走る。車輌先端に取り付けた竹のブラシで、線路に積もった雪を掃き飛ばす北海道独特の除雪車である。雪を掃きながら走る音がサラサラと聞こえることから、そう呼ばれている。
函館のササラ電車は、なんと明治生まれの車輌であり、昭和12年から除雪車として活躍し続け、今もってなお現役なのである。 路面電車は道路上に線路があるため、たまに線路内をウロウロしている車もいる。そんな時、市電は徐行しつつ警笛をぷぁーんと鳴らし、車は「スマヌ、スマヌ」とばかりによけるのである。
何となくのんびりとした光景だ。明治生まれの車輌。ゆっくりと走る路面電車。その姿には「かつての日本」が垣間見え、速さばかり求められる現代人のココロを和ませる。
 冬場には、電飾で飾られた電車が行き交い、冬のイベントを盛り立てる。
 しんしんと降る雪の中で、ゴトゴトと通り過ぎる市電のボヮーンとした灯りは、なんだかとても懐かしく、あったかい。