皮膚の大掃除浅井フーズ通信

スキンケア研究室

2020.12.08

洗っても落ちないものがある?

  • ひなこ

    今年もとうとう12月、アパートの大掃除をしなくては・・・

  • ノン子

    そうね。汚れとは言わなくても一年の間に溜まった不要なものを整理するには良い時期ね。私もボチボチ始めようかな、一気にやろうとすると大変ですものね。

  • ひなこ

    溜まるといえば、皮膚の汚れってどうなのでしょう。毎日洗っていれば溜まるものではないですよね。

  • ノン子

    そうね。でも何故?

  • ひなこ

    この間友達に、「毎日朝晩、石けんを良く泡立てて洗顔しているけれど、それだけじゃ汚れは落ちないの?」と聞かれたんです。びっくりして訳を聞いたら、デパートの化粧品売り場で『まだ汚れが残っているかも』と声を掛けられて、洗顔後のふき取り用化粧水というのを勧められたんだそうです。まさかと思ってその場で試してみたら、コットンに茶色いものが付いて来て、店員さん曰く、それは洗浄で取りきれなかった汚れで、お肌の新陳代謝が悪くなると汚れがたまって普通の洗浄だけでは落ちなくなる、ということだったのです。それを聞いて、石けん洗顔をお勧めしている方としても、自信がなくなってしまいました。

  • ノン子

    ふーん、なるほど・・・

  • ひなこ

    ふと見渡せば、お店には毛穴パックがならんでいるし、ピーリングを謳っているエステサロンもたくさんあるし…私も洗顔後に鏡をのぞいたら、小鼻の毛穴がつまり気味だし、やはりお肌も大掃除が必要なのでしょうか?

  • ノン子

    コットンについてきた茶色いものは、残念ながらお肌に残った汚れです。では、なぜそういうことがおこるのか、考えていきましょう。

「茶色いもの」の正体は?

  • ノン子

    お肌の悩みの種となるものに、毛穴の黒ずみや角栓などがあるわね。コットンについた汚れもだけど、原因はお肌の新陳代謝すなわちターンオーバーの乱れにあります。お肌の場合、遅くなるより早すぎることの方がトラブルのもとになりやすいの。特に顔など、紫外線や乾燥によるダメージを受けやすいところは、ダメージを修復しようとターンオーバーが早まり、その結果未熟な角質細胞が乱造されてしまうということは、いつかも話題になったわね。

  • ひなこ

    はい、丁度一年前でした。

  • ノン子

    ターンオーバーが正常に行われていると角質細胞が十分成熟し、成熟した角質細胞は保水能が高いので柔らかく、また役目を果たせば一番外側から自然に剥がれて行くけれど、未熟な細胞は剥がれることもできずに皮膚に残ります。残ったとしても未熟だから保湿成分が少なくて乾きやすく、硬く縮みやすい。そこへ皮脂や化粧品の油脂などがついて酸化されると茶色く変色して、ますます角質細胞にこびりつきます。お友達が勧められたような拭き取り用化粧水には、角質細胞を剥がす成分が含まれているので、こびりついていた汚れを角質細胞ごと落としたのね。

  • ひなこ

    見たところ、そんなにお肌がくすんでいたわけではなかったのに・・・

毛穴の黒ずみ・汚れ・詰まり

  • ノン子

    普通のお肌だと、それこそ白いコットンでふき取らなければわからないくらいだけど、わかりやすいのは毛穴の黒ずみね。毛穴からは皮脂が分泌されるから、他の皮膚より皮脂中の刺激性成分からダメージを受けやすく、毛穴の周囲の角質は未熟なものが多くて硬くなりやすいのよ。そこへ酸化されて黒っぽくなった皮脂がこびりついて、黒ずみとなってしまうの。

  • ひなこ

    皮脂はないと困るものだけど、そのおかげで毛穴はダブルパンチを受けているんですね。毛穴のつまりも困り者ですし…。

  • ノン子

    過剰な皮脂がたまることもあるし、いわゆる角栓がつまることもあるわね。毛穴の内側にも角質層があって、ターンオーバーも行われているのよ。そして角栓もターンオーバーの乱れが原因なの。もし正常なら角質細胞が一つ一つ剥がれ落ちるので、毛穴を塞いだりしないけれど、調子が狂うと角質細胞がはがれきれずに毛穴の出口に積もってしまうの。そこの角質層が厚くなり、角栓となって毛穴を塞いでしまうの。角栓ができると、分泌された皮脂が外に出られなくなり、積もっている角質細胞と混ざり合って、さらに硬い栓を作ってしまうのよ。

  • ひなこ

    角栓が育ってしまうのですね。

  • ノン子

    角栓が育つと毛穴を押し広げるし、栓の表面が酸化されて黒くなるし、触れたときにザラザラしたりするの。

  • ひなこ

    毛穴が目立つと自分でもがっかりして、毛穴パックを使って大掃除したくなっちゃうんですよね。

大掃除より小掃除

  • ノン子

    拭き取り化粧水や毛穴パックは手っ取り早く、しかも効果が目に見えるので魅力的な対処法だけど根本的な解決策にはならないのよ。まだ剥がれる必要のない角質細胞まで剥がして、その下にいる更に未熟な角質細胞達に負担がかかることになってしまうの。

  • ひなこ

    だからアクティストのモイストジェルをご案内する時も『ピーリングマッサージにも使えますが、無理にこするとお肌を傷めることになります』とお伝えするんですね。

  • ノン子

    マッサージをしている時に、自然に剥がれてくる程度なら大丈夫だけど、とにかく垢が取れるまでって頑張る必要はないのよ。剥がれてくるものがない、というのは剥がすべきものはないと考えてね。ターンオーバーの乱れを正さない限り、悪循環は終わらないの。角栓が出来やすい不安定な状態は変わらないわ。

  • ひなこ

    そういえば、パックをしても1~2週間すればまた角栓が出来てしまうようです。

  • ノン子

    あまりに気になるときは大掃除をしてあげるのも良いし、さっぱりして気分も良くなるけど、でもそれで終わりにしないで日頃のケアを見直し、より丁寧にしてあげると良いわね。角質細胞は、成熟すれば表面がなめらかになり、汚れがつきにくくなるのよ。毛穴だって縁がなめらかになると目立たなくなるわ。

  • ひなこ

    角質を成熟させるには、保湿ケアが大切なのでしたね。普通の洗浄で自然に落ちる汚れを落としたら、あとはしっかり保湿することですね。

  • ノン子

    それと、こういうトラブルの気になるときは、ケア&リッチクリームで保護のケアもしっかりしてあげてね。もちろん、ターンオーバーを乱すような食事や生活をしないようにね。

参考文献

  1. 西島貴史等:毛穴に対するスキンケア対策, Fragrance Journal, 33(9), 27~32(2005)
  2. 津田ひろ子:メイク落とし・毛穴洗浄剤の技術開発動向, Fragrance Journal, 36(12), 24~29(2008)
  3. 服部道廣:スキンケアの科学, 裳華房(1999)
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