紫外線と皮膚浅井フーズ通信

スキンケア研究室

2020.12.06

紫外線の季節

  • ひなこ

    主任、今年も本格的紫外線対策の時期がやってきましたね。

  • ノン子

    そう…ひなちゃんも気がついていたのね。ついにその季節がやってきたわ…命の象徴として崇められてきた太陽の光にこっそり潜む破壊性! 気がついたときにはすでに遅し!! その破壊のあとはあなたのお肌にシミやシワとして残されてしまっている…。

  • ひなこ

    何だか、今日は芝居がかってません…?

  • ノン子

    あーら、ごめんなさい。演劇部だった学生時代を思い出したものだから。

  • ひなこ

    ああ、だから主任の声は大きいんですね。

  • ノン子

    声が大きいのは生まれつきよ。それより何より、演劇部だったら室内で活動することが多いからあまり日に焼けないですむと思って入ったの。

  • ひなこ

    主任は、部活を選ぶのもお肌のことが基準だったのですね、何かスゴーい。とまあ、昔話は置いといて紫外線の話に戻りますが、昔はお日様に当たらないと丈夫になれないって言われたくらいなのに、最近ではすっかり「お肌の敵」みたいに言われるようになってしまいましたね。いつから考え方が変わったのでしょうね?

紫外線のダメージ

  • ノン子

    そうね。まず紫外線がどのようにお肌にダメージを与えるのか、復習しましょう。

  • ひなこ

    紫外線には、波長の長さにより 「A波」 「B波」 「C波」 と大きく分けて3つの種類がありますが、C波は成層圏のオゾン層で遮られますので、地表に届くのはA波とB波です。B波は皮膚を赤くしたり、ひどいときは水ぶくれを作ったりといった日焼け症状を引き起こしますが、真皮まで進入することは殆どありません。一方、波長の長いA波は、真皮層まで侵入してお肌のハリを保つヒアルロン酸を分解したり、弾力の元になるコラーゲン線維の束を固めてしまって柔軟性を失わせます。

  • ノン子

    B波は直射日光を避ければ防げるけれど、A波は雲や窓ガラスを通りぬけるから、曇りの日でも室内でも防ぎきれないの。また、エネルギーで比べたらA波は弱い光だけれど、一年中降り注ぐから浴びる量が多くなるので侮れないのよ。A波もB波も活性酸素を発生させるので、それによる二次被害もあるのよ。

  • ひなこ

    でも、皮膚はA波にもB波にも活性酸素にも対抗し、傷ついた部分を修復する機能を備えているのですよね。例えば日焼けをして肌が黒くなるのは、紫外線を吸収するメラニン色素を増産して、紫外線が皮膚の奥に侵入しないようにするためでしょう? それから活性酸素を消去させる酵素を出したり…。

  • ノン子

    そうなの。ところが、紫外線を浴び過ぎると対抗・修復システムがうまく行かなくなってしまうのよ。そうなると、紫外線を浴びなくなってもメラニンの増産を続けてシミを作ってしまったり、また真皮の構造の乱れが進んでシワやタルミへと発展してしまったり。顔や首筋など日に当たる部分の深いシワはこうして出来たものなのよ。もっと怖い例だけど、間違って修復された細胞は突然変異を起こして、皮膚ガンになってしまったりするのよ。

国際会議「光と皮膚」開催される

  • ノン子

    というようなことが広く認識され、研究が盛んになるきっかけとなったのは、1972年に開かれた「光と皮膚」という国際会議なのではないかしら。その会議で初めて “紫外線による障害が肌や身体の健康をそこね、また老化を加速させる大きな要因の一つであること” が確認されたの。大昔から日に当てると消毒になるとか、退色しやすいものは日陰に置くとか、「紫外線は強いもの」ということはわかっていたのよね。でもそれは特殊な場合であって、普段浴びている紫外線が健康にまで影響することがある、とまでは認識されてなかったのね。むしろ「ビタミンD合成のために太陽に当たった方が良い」とか「太陽に当たると小麦色の健康な皮膚ができる」という見方が中心だったのよね。
    でも、ビタミンDのためには一日5分位日に当たれば十分だったということよ。

  • ひなこ

    それより「小麦色」の後に待っている弊害の方が深刻ですよね。

  • ノン子

    そうなの。そして、この会議でもう一つ大切なこと、“化粧品が、お肌に対する紫外線障害の予防に大きな貢献をしうること” が確認されたのよ。 何より基本のスキンケア

  • ひなこ

    化粧品でできる紫外線対策といえば、日焼け止めですよね。

  • ノン子

    そう、適切に使えば日焼け止めは強い見方よ。でもそれ以前のスキンケアが何より大切なの。例えば、お肌の油汚れを放っておけば、紫外線で過酸化脂質が出来てお肌を刺激するし、お肌の乾燥が進めばバリア機能が落ちて更に紫外線の被害が増してしまうでしょう。それを防ぐために、お風呂に入って石けんで身体を洗うこと、乾燥防止に化粧水やクリームをつけることなどのスキンケアが本当に大切だということが、世界中の専門家にしっかり認識されたのよね。

  • ひなこ

    そういえば1980年のことですが、35歳以上の女性152名を(a)実年齢より若く見える (b)年齢相応に見える (c)実年齢より老けて見える という3つのグループに分けて、それまでの生活環境やスキンケアの仕方を調べたところ、老けて見える人には
    (1)紫外線を浴びる機会が多かった。
    (2)皮膚の清浄や乾燥対策などのスキンケアをあまりしていなかった(できなかった)。
    という背景があったんですって。

  • ノン子

    紫外線対策とスキンケアとが見かけの年齢に関係する、という実例ね。

  • ひなこ

    こういう調査結果があると、スキンケアをお勧めするにも力が入りますね。ところで、主任の当たり役は何だったのですか? オフィーリア? ジュリエット?

  • ノン子

    エヘッ実は…大道具担当だったの。結構外で作業することが多かったのよ。とにかく日陰を探すのが大変だったわ!

  • ひなこ

    ありゃりゃ…。

参考文献

  1. 宇山侊男:美肌&抗老化のためのベストスキンケア(2004)フレグランスジャーナル社
  2. 宮地良樹:臨床医のためのスキンケア入門(1997)先端医学社
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