自覚症状がなくても要注意! 高血圧浅井フーズ通信

ヘルスサイエンス

2020.12.24

放置によって高まるリスク

高血圧とは、安静にしている時に、正常値よりも血圧が高い状態のことを言います。
日本人では約4300万人が高血圧だとされています。もしかしたら、この記事の読者の中にも、血圧を下げる薬を常用している人がいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、血圧が高めだからと言って、痛いとか、苦しいという症状はほとんど
ありません。「自分は高血圧」とわかっていても、あまり深刻に受け止めず、積
極的に「改善してい こう」という気になりにくいものです。その結果、いつの間にか高血圧の影響が進行してしまい、ある日、突然、心筋梗塞や脳卒中で倒れる危険もありますから注意してください。また、高血圧は認知症のリスクを高めるとも言われています。

劣化したゴムホース

なぜ高血圧が心筋梗塞や脳卒中を招くのでしょうか?
血圧が高いと、血液が血管の壁に強くぶつかることになり、血管の壁を傷付けたり、血管が圧力や傷に対応して厚く硬く変化して、柔軟性が失われていきます。これを動脈硬化と言います。
血管の壁が厚くなると血液の流れる場所が狭くなり、血圧はさらに上昇します。やがては血液の流れる場所が塞がってしまうことにもなりかねません。塞がってしまった血管の先へは血液は流れていきません。必要な酸素や栄養が届けられなくなり、細胞は死んでしまうことになります。こうして心筋梗塞や脳梗塞を起こすのです。

また、血管をゴムホースに例えてみると、新しいゴムホースは柔らかくしなやかですが、劣化すると硬くもろくなり、ちょっとした力で破れてしまいます。同様に血管も劣化すると破れやすくなり、脳出血などを起こしてしまうのです。

目標は140/90以下

恐ろしい事態を引き起こしかねない高血圧。しかも、静かに進行して、いきなり死を招くことになるため、サイレントキラーと呼ばれます。その深刻さをしっかり受け止めて、血圧をきちんとコントロールしたいものです。
自分の血圧はどのくらいか、しっかり把握できていますか? 心臓が収縮して全身に血液を送り出す、最も圧力がかかる時を「最高血圧(収縮期血圧)」または「上の血圧」と言い、心臓が拡張して血液が戻ってくる、最も圧力が低い時を「最低血圧(拡張期血圧)」または「下の血圧」と言います。自宅でリラックスして計測するより病院で緊張して計測した方が高くなる場合があり、白衣高血圧とも呼ばれます。そのため、診察室血圧、家庭血圧、それぞれを見ます。表をご覧ください。上が140mmHg以上、または下が90mmHg以上になると、高血圧に分類されて、血圧を下げるための治療をスタートする目安となります。

降圧剤を常用している人は徐々に減らしていけるように、境界域の人は確実に正常域にすることを目標に、現在より少しでも血圧を下げていく取り組みを始めましょう。

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