毎日のケアで口から健康に! 口腔ケア浅井フーズ通信

ヘルスサイエンス

2022.10.01

45歳以上の約5割が歯周病

 厚生労働省の調査(*)によると、「歯周ポケット(4mm以上)のある者の割合」は35~39歳で約4割、65~69歳では約6割と、高齢になるにつれ増えており、45歳以上では約5割が歯周病と言えることになります。歯周病を放置すると、やがて歯が抜け落ちたり、抜くことになってしまうわけですが、歯周病の進行は痛みを伴わないことが多いため、深刻に受け止める人は少ないかもしれません。
 しかし、口の中の健康状態が低下すると、虫歯や歯周病、口臭を招くだけでなく、一見、関係なさそうな心臓病や肺炎など、深刻な事態を招きかねないことをご存じでしょうか?
  *「平成28年歯科疾患実態調査」

歯周病菌が招く疾患とは?

 口の中には、実は約700種類もの細菌がいます。腸内と同じように善玉菌、日和見菌、悪玉菌がバランスを保っているのです。健康で、普段の口腔ケアができていれば、歯周病や虫歯の原因になる悪玉菌の影響を抑えることができます。多少、口の中の細菌を唾液や飲み物と共に飲み込んだからといって、感染することはありません。
 しかし、口腔ケアができていなかったり、抵抗力や免疫力が低下していると、歯周病菌による影響を抑えにくくなります。増殖し、歯肉から血液の中に入り込んだ細菌によって血栓ができやすくなり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを起こす場合があるのです。その他、糖尿病、肝臓病、腎炎、骨粗鬆症、早産や低体重児出産なども歯周病菌との関連が知られています。口の中の菌が、思いがけず全身に影響をもたらす場合があることを知っておいてください。

口の衰えは身体の衰え!

 また、食べ物を飲み込む嚥え ん下げ 機能が低下している高齢者は、唾液や飲食物が食道ではなく気管に入ってしまうことがあります。唾液に含まれる細菌が肺にまで入り込んでしまい、肺炎を発症するケースは少なくありません。これが近年、日本人の死亡原因として増加している誤嚥性肺炎です。口の中を清潔に保つとともに、飲み込む機能を維持することも大事な口腔ケアとなります。

口は、命を支える栄養を取り入れる入口であり、同時に細菌やウイルスの侵入口でもあります。また、口には、噛んだり、飲み込んだりするだけでなく、呼吸し、話し、表情を作るなどの大切な機能があります。健康で、家族や友人と共に食べる楽しみをいつまでも共有するためにも口腔ケアをしっかり行うことが大切です。

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