ARTICLEAsai Foods通信

スキンケア研究室

2020.12.24

新シミ対策発見か?

シミの始まり

  • ひなこ

    シミが気になる季節になってしまいましたね。

  • ノン子

    シミと言えばメラニン。メラニンは、本来は大切なものなのに、シミの素になってしまうおかげで、悪者のイメージの方が強くなっているわね。

  • ひなこ

    ちょっと気の毒ですよね。

  • ノン子

    おや、メラニンに同情するなんて、ひなちゃんも研究室員らしくなってきたわね。ではここで本来の働きを見直してみましょう。

  • ひなこ

    はい。メラニンは黒褐色の色素で、表皮の基底層にあるメラノサイトという細胞で作られて周りの表皮細胞に配られます。表皮細胞に入ったメラニンは核の上を覆って大事な遺伝情報が紫外線や活性酸素の害を受けないように守ります。そして表皮細胞が外側に移動して行って角質細胞になるころには、細胞内で分解されて白色メラニンになり、やがて垢となった角質細胞とともに排泄されるのです。

  • ノン子

    メラニンの生成と排泄のバランスがとれていれば、シミにもならずにすむのよ。でも、何かの原因でメラノサイトが過剰な刺激を受けると、核を守るために防衛体制に入りメラニンの増産を始めるのよ。

  • ひなこ

    典型例が日焼けですね。日に当たると紫外線から身を守るために表皮細胞からメラノサイト刺激ホルモンが出て、メラノサイトの増産スイッチを入れてしまうんですよね。メラノサイトは早速メラニンの増産を始め、表皮細胞にどんどん供給し、表皮細胞も盛んにメラニンを取り込むので、日焼け後は皮膚が黒くなるんですよね。

  • ノン子

    日に当たるのを止めればメラニンの増産が止まり、メラニンの分解・排出が進むに従ってだんだん元の肌色に戻る、というわけね。ただ、若いうちはメラニン分解も新陳代謝も活発に行われるので回復も早いけれど、加齢とともに分解や代謝する力が衰えるので、日に当たり続けるとメラニンが分解しきれず肌の色が戻らない、ということになってしまうの。さらに困ったことに、長年にわたって紫外線を浴び続けるとその影響で、メラノサイトだけでなく表皮細胞も部分的に調子が狂い『シミ』になってしまう、というわけ。

シミがシミを呼ぶ!

  • ノン子

    そのようね。こんな実験があるのよ。正常なヒト表皮細胞をメラニンと一緒に培養して細胞内にメラニンを取り込ませてシミモデルを作り、メラニンを取り込んでいない表皮細胞と比較してみたの。

  • ひなこ

    シミモデルではいったい何が起こってたんですか?

  • ノン子

    なんと、メラニン産生を促す遺伝子の発現量が増えていたの。それもメラニンをより多く取り込んでいた細胞ほど増えていたのよ。

  • ひなこ

    えっ?? 表皮細胞は必要に応じてメラノサイトに増産指令を出すのではないんですか? すでにメラニンをたくさん抱えているのに、もっとメラニンを作らせようとするのですか?

  • ノン子

    そうなのよ。さらに、実際のシミ部位の皮膚を観察してみたら、メラニンを含む基底細胞は分裂能が著しく低下していたの。

  • ひなこ

    分裂能が低下しちゃったら、お肌の細胞の生まれ変わりが遅くなっちゃいますね。

  • ノン子

    その通りよ! つまりシミになってしまった表皮細胞は、なぜかメラノサイトにもっとメラニンを作れという指令を出し、それを受けたメラノサイトがメラニンを増産し表皮細胞はそれを受け取る。特に基底細胞にメラニンがたまると細胞分裂が遅くなり、メラニンをためた細胞が押し出されずにお肌に留まるのでお肌は黒いまま、ということなのよ。

  • ひなこ

    紫外線だけではなく、シミも刺激となってシミを呼んでしまうんですね。それで一度できたシミはなかなか消えないんだ。

新しいシミ対策

  • ノン子

    シミ部位のお肌は軽い炎症状態に陥っているとも言われます。それも表皮細胞が調子を狂わせる原因の一つと言われているわ。お肌の調子が狂うと何故シミになるのか、メカニズムはまだハッキリわかっていないけれど、シミ対策は多方面から考えられています。

  • ひなこ

    ターンオーバーを順調にすることもシミ対策になるなら、お肌本来の働きを助けるアサイゲルマニウムが得意とするところですよね。でもやっぱりまずはメラニンを作らせないことが大切なのではないですか?

  • ノン子

    実は最近わかったことがあるのよ。メラニンの生成は、チロシンというアミノ酸がチロシナーゼという酵素によってL- ドーパというものに変わるところから始まります。L- ドーパは再度チロシナーゼによってドーパキノンに変わり、さらに何段階かを経てメラニンに変わります。チロシナーゼの関わりが大きいから、これまでの美白対策としては主にチロシナーゼの働きを抑えるものが研究され、実際に有効成分として美白化粧品に使われているのよ。

  • ひなこ

    例えば、シルキーエッセンスのプラセンタエキスやグリチルレチン酸ステアリルですね。それで、それで?

  • ノン子

    今年3月の薬学会で発表されたことなんだけど、アサイゲルマニウムはL- ドーパと結合してメラニンの産生を抑えることがわかったの。つまりアサイゲルマニウムが先にL- ドーパをキャッチすることで、チロシナーゼがL- ドーパに作用できなくなりメラニン生成反応が進まなくなるのよ。

  • ひなこ

    メラニンを作る材料がなくなってしまうということですね。

  • ノン子

    そういう方法でメラニンの生成を抑えるものって珍しいのよ。まだ研究段階だけどね。

  • ひなこ

    アサイゲルマニウムには新しい方法での美白作用が期待される、ということですね。日焼けが怖くなくなる日が来るかも~!?

参考文献

  1. 青木宏文 :メラニン沈着メカニズムと美白剤開発,FRAGRANCE JOURNAL,35(9),13(2007)
  2. 佐藤 潔 麦倉 茂:美白有効成分の開発プロセスについて, FRAGRANCE JOURNAL,35(9),21(2007)
  3. 本川智紀 :色素沈着特有のメカニズムに着目した美白エキスの開発,FRAGRANCE JOURNAL,39(5),25(2011)
  4. 佐藤 潔 青木宏文 :シミ部位の皮膚科学的特徴の解析と美白剤の開発,FRAGRANCE JOURNAL,39(5),14(2011)
  5. 木曽昭典:メラニン分散に着目した居座りシミへの新規アプローチ,FRAGRANCE JOURNAL,45(9),46(2017)
  6. 村松慎介 水谷友紀 福田光則:メラノソーム輸送機構に基いた美白アプローチ, FRAGRANCE JOURNAL,39(5),19(2011)
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